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院長の本音

​(重いので注意ください。)

​良い医療を行うために、皆さんのお力をお貸しください。

 中条町に生まれ、高校生活までこの地域で過ごし、医師となり地元に貢献することを目的に2011年9月16日に開業しすでに6年を経過してしまいました。

 この6年間を総括すると、できた事は予定通りでしたが、予想外の状況も多々ありました。色々な患者さん達の対応をさせて頂きましたが、色々です。頑張ってくれる患者さんもいて、どうにも治療に参加しくれない患者さんもいて、ここで思うのは、医療は平等であるべきか、公平であるべきか改めて考えました。私は人間ができていないので、きっと公平であるべきと考えています。頑張って、一緒に治ろろうとしてくれる患者さんが大好きです。反省すべきですが、全く平等でいられる自信がなくなってきている自分がいます。人は人の鑑・患者は医者の鏡と言いますが、逆はないのですか?こんな医者ですが、一緒に頑張ってくれる患者さんいらっしゃいませんか?

 さて総括になりますが、通院患者から新たな脳卒中・心筋梗塞を出さない事、これは完璧でした。罹りつけ患者から、肺癌・大腸癌・胃癌での死亡症例を出さない事、これも2例を除いて、大体事前に防止できました。不幸にしてうまくいかなかった症例は、胃癌の患者さん1名、大腸癌1例です。胃癌の患者さんは、当院では高血圧の治療でしたが、私が親しくなりすぎて、なぁなぁの状態があり、胃カメラを予約してあげるタイミングがのびのびになっていたのが原因でした。とかく、仲良くなりすぎると患者さんの希望を聞き入れすぎます。本人には苦しい検査ですが、嫌がっても問答無用でするべきでした・・・。大腸癌患者さんは、睡眠時無呼吸の患者さんで、他の医療機関も受診しておりました。消化器専門医にかかっていたにもかかわらず、当院に調子悪いと来院された時には、すでに残念な結果でした。以上の反省から、①患者さんと親しくなりすぎない事(医師患者関係を適切に保つこと)、②他の医療機関での判断を検証なしに信用してはいけないという事が分かりました。今後の課題です。患者さんに厳しく、自分にはさらに厳しく注意を怠らないようにしていく覚悟です。笑っているだけでは患者は守れない。​これが、当院の理念の一つになっています。

 できなかったことですが、訪問診療・往診です。当方にとっては見てはいけない医療と人間の闇の部分を見ることになった仕事でした。すべてが悪いわけではないのですが、今後の医療において高齢者医療の答えが、在宅医療にない事が明らかにわかりました。

 まず、介護する側の家族に、自宅で面倒を見る気がない方が多いと言うことです。実際には、老人ホームに入れたいが、入れないので仕方なく在宅医療に頼っている方が多いということです。さらに、在宅・ホームを含めて、本来は在宅往診の方も、ホームに入所する方も、すでに高齢であり、いかなる病気があろうとも残った時間をいかに安楽に過ごすかが目的であるはずです。また、在宅やホームは、病気自体の治療を目的にしていないということが、御家族・御本人は理解できていない方がほとんどです(加齢変化を容認できない)。もしも、病気の治療が希望なら、在宅やホームでの対応ではなく、もっと病院と相談していただかないといけないというのが正解です。在宅・ホームは医療については無力です。大きな検査機器・治療機器を持ち歩いて往診できるわけではないのですから・・・・

 また、このたび残念だった事は、ホームに入る事について、入所する本人自身は「入りたくて入所するわけではない」と言う事です。要は、本来は一番お心を察していなければならないはずの御家族が、患者さんの本意ではない選択をしているという事です。この介護する側と、される側の利害が一致しない状況には、ほとほと考えさせられる6年間でした。

 では、どうしたらよいか?

 答えは、寝たきりにならない事であると結論が出ました。寝たきりになる理由の多くは、低栄養あったり、脱水であったり、廃用性変化であったりします。困った事に高齢者の面倒を見てくれないネグレクトを疑うご家族もいらっしゃいました。早い段階から、ひとつづつ介入・対応すると、案外寝たきりにならない印象で、当院外来においてほとんど寝たきりは出ていません。俗に言う「ピンピンコロリ」です。今後はこの路線で努力してく​方向です。とはいえ、家族が協力してくれなくて、当院外来から消えてしまう事も多いのですが、追いかけるわけにもいかないので、そこまでなんです。

​ 当院の理念の二つ目は、この反省が含まれているのです。

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