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風邪・気管支炎・肺炎

① 風邪症候群とは、喉に炎症性変化を及ぼす病原体不特定の感染症です。詳細は下記のサイトで確認していただければOKですが、基本的には90%がウイルス感染から始まる上気道感染症です。ちなみに、原因ウイルスが確定している場合には、その感染症としての病名になります。たとえばインフルエンザ感染症とか)

  症状は、咽頭痛時に発熱・咳・痰・鼻水・嗄声(声嗄れ)などが一般的です。症状の出現は、咽頭痛から始まり、鼻水・咳が出現、対応にもよりますが、最後に咳が残ることも多い印象です。

  ①http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=2

  ②http://virus-eisai.com/virus/cold/

  自然経過として、ウイルス感染が成立している期間は1週間以内ですがその後も症状が継続している場合は、炎症のみが残っている状況か?2次感染(細菌感染)が合併している可能性があります。当院に来院される患者さんのほとんどが、少しこじらせてから来院されます。こじらせ方としては、気管支炎~肺炎への進展が多いわけです。炎症のみ残ってしまい、咳だけ残ってしまう方も結構いらっしゃいます(post infectious cough>>感染後咳嗽)。


② 風邪は万病の元!高齢者などでは、時として重症化して命取りになることもしばしばで、なめること無かれです。健常人でも、ウイルスの種類によっては、特殊な経過をたどるいくつかの重要なウイルスもあり、時として診断を要する事もしばしばです。診療の流れとしては、初期治療で効果が上がらなかった場合や、特徴的な症状・所見などが確認された場合は、精査を行う事になります。

  ウイルスの検査ですが、基本的にはペア血清による採血を2~3週間あけて2回やる方法がありますが、ほぼ全てのウイルスが?が特定できますが、結果が出た頃には、治っており、意味が無いことも多々あります。さらに、殆どの風邪の原因ウイルス対しての治療薬は、インフルエンザ・ヘルペス系ウイルス以外には、一般的には存在しませんので、治療内容に反映しません。学術的な意味合いと、他者への伝播のリスクを評価するものであることが多いです。つまり検査キットも、症状や所見から少し幅広く感染ウイルスを想定できれば、行う意味合いは低いと考えています。ただし、統計学的に重症化が予測される状況においては、早期の検査が生死を分けることもありますので、そこはポイントです。

  

③ 治療は、対症療法(症状に対しての治療)が一般的で、症状を抑えている間に十分な休養と栄養を取り、早く直るように努力していただくわけです。が・・・症状が軽快すると、治ったと勘違いして、散々仕事をしてくれる方が多く、この勘違いは、風邪自体が遷延し、重症化する原因と思われます。薬に頼りすぎて、マスク(喉の乾燥防止)、うがい(緑茶で良い結果あり)を疎かし、感染期間中の再感染、細菌の2次感染などに発展される方も多数です。

 

④ 案外多い2次感染。症状がなかなか改善せず来院されることが多い当院ですが、大概細菌感染症の合併です。他科の先生方の判断は、アレルギーだったり、咳喘息であったり・・・。そんなもん治るもんかい!!軽い肺炎を起こしてから来院される方も多数いらっしゃます。

  たとえば、喉の所見ととり方では、耳鼻科の先生との差は大きく、かなりひどい所見でないと、彼らは2次感染とは判断しません。殆どアレルギーで処理されます。治らないとの事で、よく当院にこられます。・・・はじめから来いやwww抗生物質ががっちり効きます。

 また、最近流行の咳喘息ですが、吸入の喘息薬を散々使って来院されますが、咳喘息の判断が甘い上に早すぎです(通常でも遷延性咳嗽の判断は3週間以上です。)。あんなくそ高い吸入薬使わされて、何にもならんことも多々あり、不幸としか言いようがありません。咳喘息は当方が診る限り極めて少なく、2次感染や感染後咳嗽が殆どです。

 抗生物質も、日本特有の使い方があり、やさしいお薬を最低限で使用すると、いかにも良いように謳われますが、間違いです。正しくは、原因になる細菌を100%殺しきれる銘柄を、十分な量を使用するのが正解です。海外では同じ薬でも2倍以上の投与量で使用されることが多いのです。日本では最低限の薬を使って、対応するため、生き残った勇者(細菌)は耐性菌として、再び牙をむいてくる事でしょう。ためらい傷を作るような抗生物質の使用は控えるべきです。抗生物質は有効な銘柄を十分量で短期で使用する事が重要です。

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