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脂質異常症の治療(主に高脂血症)

① 初診時は、禁食で来院いただき空腹時採血を行います。(諸説ありますが、食後には中性脂肪などは、数値が高く出ると言われております。)

② 結果が翌日には出ますので、1~2週間後に結果を聴きに来ていただき、説明いたします。

③ 結果で高脂血症を診断した場合も、すぐに内服治療は行いません。まずは、運動・食事(時に禁酒含む)の指導を行い、1~2ヶ月は生活上の注意で頑張っていただきます。結果改善が認められない、または不十分な方に対しては、内服治療を行います。その後は、学会の治療指針に従い治療を遂行いたします。

④ 内服治療は、LDL(悪玉)コレステロールが上昇する場合と、中性脂肪TGが上昇する場合があります。内服薬はLDLが高い人には、スタチンと呼ばれる薬剤が、TGの高い人はフィブラート系の薬剤が選択されますが、LDLとTG両方一緒に上がっている方も多く、その場合は副作用の観点から、スタチンとフィブラート系の薬剤の併用ができません。相談の上、より生活上の注意をしながら対応が必要になります(禁酒・運動療法・炭水化物制限など)。

⑤ この病気は、医療以外の状況として、極めて難しい病気です。高脂血症は、全く症状がありませんが、時間が経過すると動脈硬化が進み、脳梗塞・心筋梗塞・動脈瘤などの重大な疾患の原因になります。ゆえに、普段からの治療管理が必要なのですが、その場の症状が無いので、管理を開始しても、患者さん自身が勝手に治療をやめてしまいます。一度進んだ動脈硬化は基本的には直りません(高容量のスタチン長期投与で改善傾向がでる報告もあり)。だからこそ、まだ悪くなっていない状況で治療を開始するわけですが、血管がボロボロになってからでないと分からない人が多いのが事実です。幸いにも?高血圧などの習慣病を合併している人のほうが、まだ他に内服する薬がある分、治療から逃げ出しませんが、脂質異常症単独の患者さんは最悪です。半分以上の方は、勝手に治療を中断をして、次の年の検診に引っかかり再来します。当院では事情にもよりますが、初回に十分以上な対応と時間をかけますので、診療再開は受け賜わらない方針です。まずは、ご本人自体が病気に関しての見識をもっていただく以外には方法はございません。

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