ゾフルーザの使用について
さて、インフルエンザの予防接種時期になり、ワクチンのお話もさることながら、今年3月に発売された、バロキサビルマルボキシル/ゾフルーザ®について、お話ししましょう。
ゾフルーザ®は、一日一回一日のみ内服で治療を完了してしまうというお薬です。
機序としては、ノイラミニダーゼ阻害薬である既存のインフルエンザ薬とは異なり、ノイラミニダーゼよりも前段階で、ウイルスが増殖時に産生するRNAポリメラーゼを阻害する事によって、ウイルス増殖を抑えます。・・・・・わかんないよね?作用機序が違うという事!!
添付文書・他のプレスリリースではワカラナイ事も含めてお話しします。(ソースは新大の菊池教授でございます。)
まず飲み方
やはり48時間以内使用で、一日一回(合計一回のみ)の内服です。
効果は?
総合的に経過を見ると、タミフルとあまり変わらないようです。
では、何が良いの?
内服後のインフルエンザ排泄量が、他の抗インフルエンザ薬と比べて半分になります。
これは、大きいですね!!小規模であれば、感染・りゅこうの抑え込みが期待できます。
副作用は?
理論上少ないみたいです。6か月間のメーカーによるインタビューフォームによると、721055件使用で、副作用件数382件(重篤例27例)です。内訳は下痢がほぼ1/3を占め、悪心嘔吐、皮疹、異常行動で、死亡は1件でした。・・・・少ない結果らしいですよ!
悪いところは?
1、薬価が高い。80kg未満の体重の方成人で5000円くらい、、、4789円
ちなみにタミフル2720円・タミフルジェネリック1360円です。
2、B型インフルに対しては効果がかなり低い可能性あり。(RNAポリメラーゼPA
キャップの数がA型インフルの1/10と少ない!!)。血中濃度は十分に上がるので、B型インフ
ルでも有効とはいってますが、もともとA型でタミフルと効果が変わらない事を考えると、あま
り期待できない気がします。
3、耐性菌ができやすい可能性あり。
4、安全とはいえ、実際の実地医療の使用経験が少ない。
5、内服後の血中濃度半減期が90時間と極めて長く、効果とも言えますが、副作用など出る
となかなか胎内から出てくれないので怖いですね。
さてさて、私見も含めてまとめますと・・・・・
発熱48時間以内に診断の方で、家族内で最初に発症している方は良い適応でしょう。
時期としては、流行期に入ってしまうと、どこからでもウイルス暴露が考えられますので、ウイルス排泄が少ないというメリットは少ないかもしれないですね。高齢者で内服が難しい人を一回で治療できるメリットはあるかもしれません。2018年の年内発症症例には使う価値ありと考えていますが、帰省される方たちがもどられる年末以降は、値段も含めても無駄が多いかな?と考えます。
周囲に体力のない高齢者のいる場合、受験生のいる家庭などは適応でよいでしょう!
小児は・・・今年は様子見かな~
ついでにご報告
当院では成人のタミフルはジェネリックに変更いたします。粗末なデーターしかないですが、発品と比較しても効果は負けないようです。一方、ジェネリックの小児用の細粒は、先発品に比べて血中濃度のピークが十分に上がっていない傾向があるので、これは先発品がいいかなっと思います。
ということで!!
当院では、流行期はタミフルジェネリック(小児はタミフル)を使用します。吸入も使いますけど・・・吸入は耐性が出来ていないので、効果が安定しています。が、血中に移行しない分、脳炎や肺炎についてはどうかな?って思いますので、適宜そうだんでしょうね!
ゾフルーザは、成人で流行期前は相談受けてもいいかな?って、思います。
薬は準備してあります。
不幸にして年内にインフルになった方はご相談下さい。
PS;この薬を探し回って連絡してくる方もいらっしゃいます。落ち着いて情報を集めましょう。
薬は正しく使うのが良いですね!!
今日のりうくん
りうくんは人が大好きです。待合室に投入しよかとも検討していますが、衛生面やアレルギーなど考えるとどうかな~
触りたい方はメール下さい。こいつはいつでも飛んできます!!

りうくんと私
変わり者なんだから、それらしくと思い・・・
最初は禿が心配で伸ばした髪が、ここまで伸びた・・・・
苦情は受け付けません (><;v
りうくん、怒ってます?
今度、youtubeでも立ち上げるか・・・・
